前々回の記事で、世界のイニシエートのリスト(『マイトレーヤの使命』巻末)について書きました。
このリストを見ていくと、世界各国の哲学者・数学者・神学者・物理学者・医者・政治家・画家・作家・漫画家・音楽家・俳優・歌手・詩人・宗教家・神秘家・軍人・国王・発明家・神智学徒……などなど、生きた時代も国籍も活躍した分野もすべてバラバラな人たちが名を連ねています。
中には「ええっ、こんな人まで入っているの?」という名前も見つかります。歴史的に見たら悪人としか言いようのない人物から、一般にはほとんど名が知られていないインドの山奥の聖者まで、同じテーブル上で「光線構造」と「進化段階」というシンプルな数字の組み合わせによって、各イニシエートの特徴が比較されているのです。
ところでこのリストにある「イニシエート」って具体的にどういう人たちなの?それぞれの光線ってどうなってるの?
イニシエートの人物像にスポットを当て、進化段階や光線構造について楽しみながら思索を深めていくのが今回の企画の目的です。
題して、「ドット絵×イニシエート」。そのまんま。
秘教やアリス・ベイリーに興味のない人でも、RPGのキャラクラタープロフィールを見ていると思って、手作りのドット絵だけでもお楽しみください!
H・P・ブラヴァツキー
第一弾は、ヘレナ・ペトロブナ・ブラヴァツキー。
通称・ブラヴァツキー夫人。言わずと知れた、近代神智学の創始者になります。
圧倒的目ヂカラは、目を合わせたら石に変えられそうな人間離れした迫力。実際、彼女は半端ない超能力者(霊能力者)だったようです。
ロシア生まれのヘレナは、18歳で結婚しブラヴァツキー姓になりました。その後は失踪して、エジプトの砂漠やチベットなどの辺境の地域を世界中20年以上旅して回ります。
その間、各地域に残っている秘教に関する情報を収集し、後の神智学協会設立のための準備を行なっていました。
旅を終えたブラヴァツキーは、アメリカで後の神智学初代会長となるオルコット大佐と出会い、1875年に神智学協会が設立。
2年後には最初の著書『Isis Unveiled(ヴェールをとったイシス)』 が刊行され、千ページを超す大著でありながら大ベストセラーになりました。
その読者のなかには、発明王トーマス・エジソンもいて、感銘を受けたエジソンは直接ブラヴァツキー夫人に会いに行っています。
後に秘教の情報を系統立てて執筆するアリス・ベイリーの本とは違い、ブラヴァツキーの著作は抽象的で一見整理されておらず、非常に難解です。
アリス・ベイリーは『未完の自叙伝』の中で、ブラヴァツキーの『シークレット・ドクトリン』についてこう記しています。
私がそれにかけた勉強時間は、私の人生で最も貴重な時間に入ると思いますが、それが私に与えたその背景と知識は、私のオカルト関係の仕事を最高のものにしてくれたのです。
私はベッドで『シークレット・ドクトリン』を読みながら夜を明かしました。そして、私の習慣だった自分の聖書を読むことはおざなりになり始めました。
私は『シークレット・ドクトリン』が好きでしたが、同時に心から嫌いでした。その本は不正確で、一貫性がなく、ひどくできが悪いと思いましたが、それから離れることはできなかったのです。
アリス・ベイリー『未完の自叙伝』p.170
「大嫌いなのに大好きで離れられない…」ダメ男への恋みたいにアリス・ベイリーを虜にした『シークレット・ドクトリン』。
そんなブラヴァツキーの執筆スタイルは、次々に書き上げては床に紙をポイポイ投げていたそうで、ページ番号も振っていない原稿を秘書たちが必死に拾い集めていました。
なんとか順番通りになるように重ねられた原稿は、不思議と本として読めるようにページが整っていたといいます。
ブラヴァツキーの主な著作
- 『シークレット・ドクトリン』
- 『神智学の鍵』
- 『沈黙の声』
- 『ベールをとったイシス』
ベールをとったイシス 第1巻 〔上〕―古代および現代の科学と神学にまつわる神秘への鍵 科学 上 (神智学叢書)
光線構造と進化の段階
ヘレナ・P・ブラヴァツキー
(1831-1891)
進化段階 | 魂 | P | M | A | 肉 |
4.0 | 1 | 2 | 1 | 6 | 3 |
出典:『マイトレーヤの使命(1)』光線構造と進化の段階
ブラヴァツキー夫人は4段階目のイニシエート。
魂の光線とメンタル体(P)の光線が「意志と力」の第1光線。政治家や指導者にも多いこの光線は、その分野で頭角を表す生まれながらのリーダーの光線です。近代神智学の創始者として納得の光線構造ですね。
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以上、第一弾はブラヴァツキー夫人でした。こんな感じで、各イニシエートをピックアップしながら、ドット絵をちまちま描いていく予定です。
おまけ。…で、なぜドット絵??
ところで「なんでドット絵なの?」とツッコミを入れている方もいるかもしれません。
実は昔々、ガラケー時代に趣味(プラスちょっとお仕事)でドット絵を描いていたことがありました。
某ケータイの「デコメ絵文字」などもつくっていて、一部は公式の絵文字として「Nシリーズ」などにプリインストールされたものもあります。
(↓こんなのもつくってました。懐かC。)
スマホが主流になりそのうちドットを打つことも少なくなってきましたが、やはり久々に作成してみると「限られたスペースの中にピクセルを手作業で配置してそれっぽく見せる」という普通の絵やイラストにはない楽しさがあります。
で、どうせなら「メインの学び=秘教」と掛け合わせてみては!?と、ベンチプレス中に閃いたのが「ドット絵×イニシエート」だったのです。
何かと忙しく5月以降は今まで以上に更新頻度がぐっと低下すると思いますが(努力目標月2更新!?)、マイペースにお付き合いいただければ幸いです。
参考文献
書籍は各リンクから購入できます。
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マイトレーヤの使命〈第1巻〉
未来を開く教育者たち―シュタイナー・クリシュナムルティ・モンテッソーリ…
人間理解の基礎としての神智学
honto