ドット絵×イニシエート第3弾は、C・W・リードビーター(1854-1934)。
少年の頃のクリシュナムルティを発掘した人物であり、チャクラに関するスタンダードな情報を普及させた『チャクラ(The Charkras)』の著者です。
C・W・リードビーター
チャールズ・ウェブスター・リードビーター(Charles Webster Leadbeater)。(レッドビーターと表記されることもあります。)
キリスト教の司教でしたが、仏教も学んだりと、秘教的な情報の体系化に尽力します。
前回の「ドット絵×イニシエート」で登場したアニー・ベサントと共に、神智学協会の第2世代として活躍しました。
「キリストの器」クリシュナムルティを発掘
死期が迫ったブラヴァツキーの言葉「神智学の目的はキリストが再び地上にあらわれたときの準備をすること」にしたがって、「キリストの器」として探し出されたのが、まだ13歳のころのクリシュナムルティでした。
海岸で出会った見すぼらしいその少年は、今まで見たこともないオーラで輝いていたといいます。その後、リードビーターはクリシュナムルティの教師として英才教育を施します。
チャクラ情報を普及させた著書『チャクラ』の執筆
リードビーターの『チャクラ』といえば、「脾臓を中心としたプラーナ分配システム」、および「伝統的なインドのチャクラシステム」が紹介されている本です。
チャクラ(amazon)
平河出版社 (1978/11/25) C.W.リードビーター (著), 本山 博 (著), 湯浅 泰雄 (著)
『エソテリック・ヒーリング連続講座』第3回目の報告(チャクラ3つの様相)で、チャクラについて解説しています。ご覧ください。
光線構造と進化の段階

C・W・リードビーター
(1854-1934)
進化段階 | 魂 | P | M | A | 肉 |
2.4 | 7 | 3 | 5 | 6 | 7 |
出典:『マイトレーヤの使命〈第1巻〉』光線構造と進化の段階
リードビーターの進段階は2.4。
光線構造は、魂と肉体に「儀式的秩序・魔術」の第7光線、パーソナリティが「活動的知性」の第3光線、メンタル体には「具体的知識・科学」の第5光線があります。
ブラヴァツキーやアニー・ベサントにあった「意志と力」の第1光線はありませんね。
光線の美徳に注目すると、リードビーターのパーソナリティにある第3光線の美徳が「抽象的問題に対する広い視野」、メンタル体にある第5光線の美徳が「正確さ、正義、忍耐」。
第5光線のメンタル体について、『マイトレーヤの使命・第二巻』で解説されていたので、抜粋します。
第五光線のメンタル体は、真理の知覚を伴う事柄に対して、極度に敏感であると言えるだろう。彼らは、科学的な事実に照らし合わせて検証できるような、何らかの基盤が自分たちの哲学にあることを好む。
休むことのない、根気強いそのマインドは、あることをあらゆる角度から徹底的に調べ、その源を明らかにするまでは放っておくことをしない。
『マイトレーヤの使命・第二巻』p.478
クリシュナムルティを育て、『チャクラ』を書き上げたエネルギーは、第3光線の活動的知性や柔軟性、第5光線の具体的な知識によるものでしょうか。
追記(2019/06/05)神智学から秘教へ
光線構造について、神尾先生(FB)よりFacebookでコメントを頂いたのでこちらにも転載します。
リードビーターは、神智学を体系化した人でした。(人間~弟子のレベルでの作業です。ジュワルクール大師によって伝えられたアリス・ベイリー作品は、その後登場し、光線に関する初めての精緻な啓示的情報が付け加えられて、さらに高いレベルでの体系化が行われました。両者を無別するために、後者を「秘教」と読んでいます。)
ブラヴァツキーは、何もないところから新しいスタートを切って、近代神智学を打ち立てましたが、論じるべきことは膨大で、当然のことながら穴だらけでした。その穴を埋めて体系化を試みたのがリードビーターであり、さらにそれを整理してできたのがパウエルの『神智学大要』でした。
彼をして、そのような作業をなさしめたのが第7光線の魂、ということになろうかと思います。
「神智学」から「秘教」へ
簡単に、流れをまとめてみます。
【神智学】
ブラヴァツキー(1831-1891)
何もないところから近代神智学を打ち立てる。ゼロからのスタートのため伝えるべき情報が多く、「布石」としてばら撒かれた教えは難解であり、また穴も多かった。
↓
リードビーター(1854-1934)
その穴を埋め、神智学の情報を体系化。
↓
アーサー・E・パウエル(1882-1969)
さらに情報を整理し、『神智学大要』にまとめる。
【秘教】
アリス・ベイリー(1880-1949)
DK大師によって伝えられた光線に関する啓示的情報によって、さらに高いレベルで体系化。
↓
_φ(・_・(いまここ)
追記その2(2019/06/06)
さらに神尾先生より、光線と神智学協会の歴史についての解説です。ぜひ読んでみてください。
第1光線は、ブラヴァツキーにおいては、新時代を拓くための啓示を携えて様々な困難を突破するために、べザントにおいては困難な会長職に加え、フェミニズムやインド独立戦争を支援するなどの対外的~政治的活動のために、有効な役割を果たしたと思います。
リードビーターは、そういった活動は行わず、第7光線をもって、協会内部の組織づくりに貢献しましたが、後年は彼の生み出したグラマーによって、協会全体が誤った方向に導かれたところがあり、それが、シュタイナーやクリシュナムルティ、アリス・ベイリーの離反を生んだ、という背景があります。そういったマイナス面もありますが、それが2段階のイニシエートとしての限界だったということで、トータルで見たときに、彼が寄与した貢献は、とても大きかったと評価すべきだと思います。
参考文献
人間理解の基礎としての神智学
人間理解の基礎としての神智学(amazon)
神尾学(著)/コスモスライブラリー (2006/3/1)
マイトレーヤの使命 新版 第2巻(honto)←アマゾンでは在庫がずっと中古のみ(高額)でしたが、hontoで新品買えました。
ドット絵こぼれ話
初の男性。初のヒゲ。以前から第3弾はリードビーター!と決めていました。
アニー・ベサントやブラヴァツキーと違って、服の色を考える必要がなかったので(どう見ても白系)、そのへんは楽でした。写真は60歳時のもの。男前ですね。