秘教的なパーソナリティについて『アリス・ベイリー入門』より

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アリス・ベイリー入門

私たちの多くは一人の人間として考え、感じ、そして行動するようになりつつある。このような人間を形成するのは、肉体、アストラル体、低位メンタル体のエネルギーが相互に関係し、相互に作用し合った結果として生じるパーソナリティの働きである。

これら三つの体でパーソナリティは形成されている。このようにして「私」という感覚、つまり「私」は「私」であり、他の人間とは別の存在であるという自我意識が生まれるのである。そして、人類、国民、家族など様々な集団の中にいながら自分自身の独自の価値観をもち、自分自身の好き嫌いの感覚をもち、それに基づいて行動するようになる。

このようにパーソナリティとして意識を生み出すのはメンタル、アストラル、エーテルの三つのエネルギーであるが、それは魂からのエネルギーによって高められ調整され、一つのものとして機能する統一体になったときに初めて人間はパーソナリティになる。それまでは明確な個人としての主体性はなく、集団の一部にすぎないのである。

このパーソナリティの形成は進化のプロセスにおいて重要な位置を占めている。その段階に達していない人間と比べると、周囲に非常に強力な影響力をもつようになる。とはいえ、それは有益で霊的な生活を送ることを必ずしも意味しない。

時には極めて野心的で利己的な傾向を示す場合もある。しかし、それは魂が働きかけるためのキーステーションが確立されたことを意味し、パーソナリティを統御しようとする魂とそれに反発するパーソナリティの間の長い戦いが始まるのである。

土方三洋(著)『アリス・ベイリー入門』p.78

さすが『アリス・ベイリー入門』。初心者にもわかりやすい、秘教的「パーソナリティ」の解説です。一般的にはだれでも「パーソナリティ」は持っていますが、秘教でいうところの「パーソナリティ」の定義とは、少し(かなり)意味が違うようです。

パーソナリティを構成するのは、メンタル・アストラル・エーテルの三つの体(エネルギー)であり、これらはからのエネルギーによって高められ、調整されるといいます。

明確な個人としての主体性が生まれるのは、三つのエネルギーが「ひとつのもの」として統一されてから。(統合されたパーソナリティってやつですね)

しかし、パーソナリティが統合されたあとであっても、霊的に人格的に優れた人物になるわけではなく、野心的で利己的な傾向を示すこともあるといいます。「デキるけど嫌なヤツ」って感じ?

どうせなら「デキるしいいヤツ」に越したことはないのでしょうが、社会に目を向けると看過できないものばかりで、余りのんびりやってもいられない。

多少の毒を食らいながらでも、自己と徹底的に向き合って「周囲に流されない個」をつくる自我の確立、つまり(秘教的)パーソナリティを形成する必要性が高まっている。

これからの時代の生き方として、この秘教の教えはひとつの指針になるのではないでしょうか。

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