ベンチプレスが風邪薬。2018年一度も風邪を引かなかった赤坂です。2019年もよろしくお願いします。
年末年始で『意識の進化─アリス・ベイリーの講演録』を読了しました。約120ページの薄い本ですが、さすがアリス・ベイリー。売れ筋のビジネス本のように2〜3時間で読み終わるシロモノではありません。
ご存知、アリス・ベイリーの本の多くはDK大師からのテレパシーによる情報を記述したものですが、『意識の進化』は1921年の冬にニューヨークで行われたアリス・ベイリーの講演を記録したもので、アリス自身による著作のひとつです。
このレクチャーの目的が、まえがきに記されています。
物質と意識との関係に関する科学的な証拠を提示すること、これらの関係といくつかの基本法則が、連続して高度なものになっていく様々な存在状態において全く同じように現れていることに聴衆に気づかせ、進化過程の普遍性とその現実性を認識できるようにすること、そして、全人類が向かっているより広い意識状態とより大きな生命の性質について述べることであった。そのようにすることで、「オカルティズム」という言葉で一般に述べられている生命の法則と人間の発達をより詳細に研究し応用するきっかけとなればと思う。
「進化」とは何か
目次を見てみましょう。
- レクチャー1 進化の概念
- レクチャー2 原子の進化
- レクチャー3 形態(集合体)の進化
- レクチャー4 人間(思考者)の進化
- レクチャー5 意識の進化
- レクチャー6 進化のゴール
- レクチャー7 宇宙の進化
進化について、7つで構成されています。
世界の貧困、病気、人生の苦難はなぜ存在するのか。人類はどこからきて、どういう結末を辿るのか。この生涯以外にも、別の生涯があるのか。
様々な疑問に対しての答えが、レクチャー1の「進化の概念」で示されています。
その回答は三つに分類でき、現実主義・超自然主義・観念論に分けられます。
現実主義・超自然主義・観念論
- 現実主義(物質主義)は、触知できるものがこの世のすべてという考え方。
- 超自然主義は、理性では説明がつかない多くの事象が存在することを認め、それは神や人知を超えたものとする考え方。
- 観念論は、物質主義とは対極にあり、すべての進化過程を想定し、人生と宇宙のプロセスが同じであるという考え方。
これらの三つの思考ラインを偏ることなくひとつにまとめ、融合させて考えることで、進化に関する多くの真理を明らかにしていくことができるといいます。
「この世は目に見えるものだけがすべてさ!」と嘯くAさんも、何でもかんでも「これは守護霊さまのお導きに違いない!」と信じて疑わないBさんも、どっちも偏った考え方。バランスが重要ってことですね。
進化の3段階
進化過程は大まかに「三つの段階」に分けることができ、人間の一生における幼年期・青年期・成熟期にも当てはまります。
- 原子エネルギーの段階(幼年期)
- グループ結合の段階(青年期)
- 融合した統合的な存在の段階(成熟期)
幼年期にあたる「原子エネルギーの段階」は自己中心的で、エネルギーは自分自身の生活に当てられます。物質主義的であり利己的ですが、発達と種族保存のためには重要な時期です。
青年期にあたる「グループ結合の段階」では、グループ内での自らの役割や責任感に目覚めるときです。そのためには、自分自身よりも大きな生命を認識する能力が必要といいます。
成熟期にあたる「融合した統合的な存在の段階」は、遥か遠くにある理想といえますが、ひとつの目的とひとつの意志によって、すべてが統合されたヴィジョンです。
なんとなく「自己中心的」というと、レジを割り込んできたり満員電車ででかいリュックを背負っていたり公共の場で大声で通話するおっさんとか想像しますが、おそらく自分と家族のために普通に仕事して生活しているくらいのレベルでは、aの「原子エネルギーの段階」にあたるのではないでしょうか。
大人の階段のぼるのは、結構ハードル高そうです……ハイ。
・
・
読了してみて、数ある秘教本のなかでも早い時期に一読しておいていいのかなと思いました。三様相のイメージが掴めるし、アリス自身が語っているので親近感がありますし。
なにより、ページ数が少ないので一気に読みやすい(重要)。
もちろん一回読んだくらいで「わかった」なんて言えませんが、2019年最初の秘教本として、ベストなセレクトでした。繰り返し読んでいきたい一冊です。