『新聞記者』は、今こそみるべき映画である。

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ついにみてきた。映画『新聞記者』。

【公式】新聞記者

上映している映画館が少なく、小樽まで車で向かった。駐車場を間違って隣の建物に停めてしまい、時間ギリギリで汗だくで劇場に走る。

指定されたスクリーン5に入ると、お客は10人もいない。朝イチのせいもあるのか、とても空いている。これはじっくり鑑賞できそうだ。

事前にネット予約した席に向かうと、隣に脚を組んでのけぞって座る初老の男性。見た目は松重豊風のおっさんである。その長い左足は、僕の指定席 “G7” まではみ出していた。

座ってみると、ガラガラの蕎麦屋で相席になった心境である。脚こそ反対側に組み直してくれたが、お互いのエーテル体がガシガシぶつかり合い、なんとも落ち着かない。

「2時間この状況はきついな」

こちらも負けじと短い脚を組んで牽制してみる。これでだめなら空いてる席に移動しよう。すると、おっさんに動きがあった。

おっさん自身、「2時間汗だく筋肉野郎はきついな」と思っていたのか、隣に移動してくれたのである。有難い。

国家権力と戦う記者を見る前に、おっさんとの小さな制空権争いに勝利したのであった。

『新聞記者』は今こそみるべき映画だ。

本題に入ろう。

『新聞記者』は、東京新聞の記者・望月衣塑子さんの同名のノンフィクションを原案とした映画である。


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女性新聞記者、吉岡(ム・ウンギョン)と、“真実”を知ってしまったエリート官僚の杉原(松坂桃李)が、葛藤のなか選択を迫られる。

人として守るべきもの、記者として伝えるべきもの、“全体の奉仕者”として通すべきもの。

この映画が、僕たち国民に問うものは何か。

劇場から出てすぐ、僕はこんなツイートをした。

映画『新聞記者』みた。
観たんだけど、感想が難しい。
「面白かった」とも違う。
「また観たい」ともならない。

ただ、これは観るべき映画。
絶対観た方がいい映画。

そう、「これは観るべき映画」なのだ。娯楽のための映画ではない。

この映画には、加計学園の獣医学部新設問題、伊藤詩織さん準強姦事件、財務省による公文書改ざんなど、実際の事件がいくつも出てくる。

ネタバレになるので詳細は避けるが、「さすがに嘘だろ?」と言いたくなるような、嘘であってほしいような、国家ぐるみの “恐ろしい悪巧み” さえ描かれているのだ。

よく上映できたなと思う。この映画は、常識(思い込み)をぶっ壊してくれる破壊力をもっている。

そしてきっと、政治や社会問題に無関心であった人も、“真実” を知りたくなるはずだ。ガツンと目が覚めるのだ。

片側からしか見えていなかった、いや、見せられていなかった報道を、疑いをもって考えることができるようになるだろう。

繰り返すが、『新聞記者』は今こそ観るべき映画なのだ。




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