ゆずること・争わないこと『人を動かす』より

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原書の初版は1936年。『人を動かす』(原題:How to Win Friends and Influence People)は、デール・カーネギーによって、今から約80年前に書かれた自己啓発の古典。

こちらの本の中から「ゆずること・争わないこと」の提案です。

人を動かす

小さなことなら、正しいと思うことでも相手にゆずる

「自己の向上を心がけているものは、けんかなどするひまがないはずだ。おまけに、けんかの結果、不機嫌になったり自制心を失ったりすることを思えば、いよいよけんかはできなくなる。

こちらに五分の理しかない場合には、どんなに重大なことでも、相手にゆずるべきだ。百パーセントこちらが正しいと思われる場合でも、小さいことならゆずったほうがいい。

細道で犬に出あったら、権利を主張してかみつかれるよりも、犬に道をゆずったほうが賢明だ。たとえ犬を殺したとて、かまれた傷はなおらない。」

この言葉はリンカーンが、同僚とケンカばかりしている将校をたしなめるために言ったそうです。

五分の理しかない場合は「どんなに重大なことでも相手にゆずる」というのは、なんでも白黒つけないと気が済まないタイプの人にとっては、耳が痛い話ではないでしょうか。

しかも「100パーセント正しい」と思う場合でさえ、「小さなことならゆずってしまえ」というのだから。

そういえば一年ほど前になりますが、SNSでこういった「野良犬」にからまれている状況を偶然目撃したことがあります。ちょうど同じタイミングで、まったく別のグループで、Facebookのコメント欄で対照的な対応を目の当たりにしました。

一人はそれはもう見事に、何度吠えられようと威嚇されようと、相手のエネルギーを受け流し見事にあしらっていた。それを見て「SNSの合気道や〜」と彦麻呂ばりに声を漏らしたのは言うまでもありません。

一方では、多くの人から賛同を得ていた「意見」を、一部の人に批判されたことに対して腹を立ててしまい、すっかり冷静さを失っていたようでした。親衛隊(フォロワー)も加担し、見事に炎上してしまったようです。

心の反応に注意し、冷静にかまえる

“最初に頭をもたげる自己防衛本能に押し流されてはならない”──不快な状況に直面したとき、まずあらわれてくるのは、自分の立場を守ろうとする本能だ。気をつけなければならない。

冷静にかまえ、最初の反応を警戒する必要がある。あなたの最悪の人がらが突出し、最善の人がらがかくれてしまうかも知れないのだ。

本棚にある本を引っ張り出してきては、秘教をベースに考察しながら再読するのが個人的に流行ってます。この本に書かれていることは、感情のコントロール法を身につけ、エネルギーのロスを回避し、ざわつくアストラル体を統御するのに役立つ一冊かと思います。

参考・引用

デール・カーネギー『人を動かす』創元社


人を動かす 文庫版 (amazon)

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